津軽暖水渦

 【基礎知識-001-9】

日本海を北上してきた対馬暖流の大部分は津軽海峡を通って太平洋側に出て行きます。津軽海峡の東側は冷たい親潮水で満たされています。そこに暖かい水が出てくるのですから非常に目立った暖水渦が形成されます。暖水塊の中心部と周辺部では10℃以上の水温差ができます。この暖水渦には津軽暖水渦と言う名前がついています。ただ、この渦はいつも存在しているわけではなく、対馬暖流が強い7月から10月の間だけ見られます。


図001-10 暖水渦(50m深水温)


図001-11 リング(表層流れ、水温と同時期)

暖水塊周辺の流れを示すと図001-11のようになり、典型的なカレント・リング(時計回り)が形成されています。顕著な暖水塊ができればその周囲には必ず流れが生じます。水温が高いと言う水の特性にだけ注目するなら、暖水塊と言う言葉が適切ですが、流れに注目するならリングと言った表現になるでしょう。現実には暖水塊と流れとは密接に結びついた関係にあるので、暖水渦と言った表現が適切なものとなるでしょう。

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