黒潮が大蛇行を始めました!

 【T-001】

紀伊半島の東側では黒潮は陸岸から離れるため、時によって流路が大きく曲がりくねることがあります。黒潮の流路が曲がりくねることを黒潮が蛇行(だこう)すると言います。2015年の7月25日ごろから黒潮は紀伊半島の潮岬を過ぎると流路が不安定になり、現在(8月5日)では図001Tに示す様な流路を取っています。黒潮本流が北緯31度30分あたりまで南下しています。この様に黒潮が北緯32度以南にまで南下した状態を黒潮の大蛇行(だいだこう)と呼んでいます。

黒潮が大きく曲がりくねった陸側では広い範囲が低水温となっています。この低水温部分を黒潮の大冷水塊(だいれいすいかい)を呼んだりもします。黒潮の大蛇行と大冷水塊は紙の裏と表の関係の様なもので、両者を切り離して考えることはできません。紀伊半島から千葉県に到る範囲の漁業には何か大きな変化があっても不思議ではありません。図001Tの伊豆諸島周辺の水温分布状態を拡大して示すと図002Tのようになります。大蛇行が一旦発生すると、1年から2年程度は蛇行状態が続きます。コラムではこの大蛇行(あるいは大冷水塊)を今後とも追跡し、どのような運命をたどるのか見続けて行きたいと思います。


図001T 黒潮の大蛇行を示す200m深の水温分布(2015.08.05)


図002T  200m深の水温分布(2015.08.05)を拡大表示

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