軽石の漂流シミュレーションをしてみました

福徳岡ノ場海底火山の噴火に伴う軽石の漂流経路シミュレーションをしてみました。
2021年10月17日ごろから、沖縄本島に大量の軽石が漂着し、深刻な社会問題を引き起こしています。 10月4日ごろ、北大東島にも大量の軽石が漂着していました。
この軽石は南硫黄島の北北東約6㎞のところにある福徳岡ノ場(海上保安庁HP)で、2021年8月13日午前6時ごろ発生した海底火山の大爆発によって噴出したと考えられます。 それでは福徳岡ノ場から1400㎞も離れた沖縄本島に軽石はどのような経路をたどってたどりついたのでしょうか?
この疑問に答えるため、私たちはいくつかの仮定のもとに軽石の漂流シミュレーションを行ってみました。

【仮定】
1.海底火山爆発の直後、軽石は半径30㎞の円状に分布していた。
2.軽石は海面に浮いており、海流によって流される。
3.軽石は風に押されることによっても流される。
軽石にはいろいろな大きさや浮力のものがあるので、風による影響を強く受けるものとあまり 受けないものまで6段階の仮想軽石をそれぞれ同じ数(約17,000個)ずつ、浮かべて計算しました。
計算期間は2021年8月13日~11月9日までです。
ここで用いた海流と風のデータは気象庁が発表しているもので、海流は日本沿岸海況監視予測システムGPV(1日予報値、日毎更新)、 風は沿岸波浪GPV(解析値、6時間毎更新)を用いました。

図の左上に日付が示されています。9月30日ごろ粒子が一瞬大きく動きますが、これは台風16号が通過したため強い風が吹いたことによるものです。

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