暖水塊と冷水塊

 【基礎知識-001-5】

海の内部は比較的単純な構造をしていると考えられてきました。そのため、観測点の配置もまばらにしか取ってこなかったので、観測結果も単純な構造になっていました。しかし、くわしい観測が行われるようになってくると、現実の海は非常に複雑な構造をしていることが分かってきました。東北沖での100m深の水温分布を見ると、海の複雑さが良く分かります。


図001-5 100m深の水温分布(2013.09.23)

水温の高いところや低いところが複雑に分布しているのが見て取れます。北海道の東にある暖水域、金華山の東方にある暖水域、房総半島の東南東にある冷水域などが主なものとしてあげられます。これらの水域は周囲よりも水温が高かったり、低かったりするので、同心円状の等温線で囲まれる事が多いのです。②のようにや中心部の水温が高いものを暖水塊(だんすいかい)、③のように中心部の水温が低いものを冷水塊(れいすいかい)と呼ぶことがあります。①は中心部の水温がかなり低くなっているものの、周囲の水温が低いので立派な暖水塊です。



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