【基礎知識-001-12】
夏の海面は太陽によって強い加熱を受けています。そのため、広い範囲が同じように温められ、どこもが同じような海面水温を示すことになります。
千葉県銚子沖での夏の海面水温を図001-15に示しました。
図001-15 海面水温分布(2015/08/12)
この図によれば沿岸部には低温水があって、沖合に行くほど水温が高くなる緩やかな温度変化が見られます。
太陽の加熱を強く受けた層の厚さは20m程度ですので、それよりもう少し下層(50m深)の水温を見ますと図001-16のようになっています。
図001-16 50m深水温分布(2015/08/12)
海面水温からではとても推測できない様な際立った海の構造(流れや水温分布の状態)が見えてきます。魚の動きはこうした海洋構造と密接な関係を持っているはずです。太陽によって暖められた海面付近の薄い表層水は海の構造を覆い隠してしまうベールの働きをしているのです。