海の中の低気圧と高気圧
【基礎知識-001-11】
これまで海の中にはたくさんの渦が存在していることを見て来ました。中心部が低温な渦は周囲の流れが反時計回りとなっており、中心部が高温な渦の場合は時計回りの流れができていました。こうした現象は大気の低気圧や高気圧と同じ現象で、低温な渦は低気圧に、高温な渦は高気圧に相当します。渦の大きさは直径で100㎞~300㎞位のものが多く、こうした渦を専門家は中規模渦(ちゅうきぼうず)と呼んでいます。
図001-14 暖水渦と冷水渦の断面と回転方向
渦の断面を見ると図001-14のようになっています。暖水渦の場合は海面付近の暖かい水が深くまでもぐり込んだ状態になっていて、冷水渦の場合は下層の冷たい水が海面に向かって立ちあがった状態になっています。この図から暖水渦や冷水渦の大きさが深さによって変わるのも分かります。