気象データのビジネス活用セミナー - 5月 27, 2022 弊社取締役社長の萩原秀樹が、2021年11月11日に気象ビジネス推進コンソーシアムが開催した「令和3年度第2回 気象データのビジネス活用セミナー」で講演しました。 講演タイトルは、「漁業と航路選定における日本沿岸海況監視予測システムの利用」です。 講演資料と動画は、 こちらからご覧になれます。
軽石の漂流シミュレーションをしてみました - 11月 10, 2021 福徳岡ノ場海底火山の噴火に伴う軽石の漂流経路シミュレーションをしてみました。 2021年10月17日ごろから、沖縄本島に大量の軽石が漂着し、深刻な社会問題を引き起こしています。 10月4日ごろ、北大東島にも大量の軽石が漂着していました。 この軽石は南硫黄島の北北東約6㎞のところにある福徳岡ノ場( 海上保安庁HP )で、2021年8月13日午前6時ごろ発生した海底火山の大爆発によって噴出したと考えられます。 それでは福徳岡ノ場から1400㎞も離れた沖縄本島に軽石はどのような経路をたどってたどりついたのでしょうか? この疑問に答えるため、私たちはいくつかの仮定のもとに軽石の漂流シミュレーションを行ってみました。 【仮定】 1.海底火山爆発の直後、軽石は半径30㎞の円状に分布していた。 2.軽石は海面に浮いており、海流によって流される。 3.軽石は風に押されることによっても流される。 軽石にはいろいろな大きさや浮力のものがあるので、風による影響を強く受けるものとあまり 受けないものまで6段階の仮想軽石をそれぞれ同じ数(約17,000個)ずつ、浮かべて計算しました。 計算期間は2021年8月13日~11月9日までです。 ここで用いた海流と風のデータは気象庁が発表しているもので、海流は日本沿岸海況監視予測システムGPV(1日予報値、日毎更新)、 風は沿岸波浪GPV(解析値、6時間毎更新)を用いました。 図の左上に日付が示されています。9月30日ごろ粒子が一瞬大きく動きますが、これは台風16号が通過したため強い風が吹いたことによるものです。 Read more »
黒潮大蛇行(その3) - 11月 11, 2015 2015年の7月末から8月初にかけて発生した黒潮の蛇行は、9月下旬からしばらくの間、 C型 の流路を取っていました。しかし、11月の5日頃から、蛇行の最終段階の D型 に到達したようです(図008T、黒潮蛇行のパターンを参照して下さい)。 黒潮と陸岸の間にできる冷水域の中心が伊豆海嶺(かいれい)上にあって(黒潮大蛇行、その2、参照)、黒潮流路は C型 をとっていたのですが、冷水域が海嶺の東側へ移り、 D型 流路となりました。冷水域がさらに東の方に移動すれば、一連の黒潮蛇行は終息し、 N型 の流路に戻ると思われます。 図008T 2015.11.05 200m深水温分布 今回の黒潮蛇行は当初かなり顕著なものでしたので、過去の経験からすると、1年やそこらは持続するものと思われました。しかし、半年ももたない短命なものとなりそうです。以前にもこうした短命な蛇行はあったのかも知れませんが、十分な頻度で観測が行われていなかったため、こうした短期の蛇行は見逃されていたのかも知れません。 Read more »
黒潮の流速 - 8月 11, 2015 【基礎知識-001-2】 前回示した水温図に対応した流れの計算結果を図で示すと、下の図(図001-2)のようになります。流れの向きは矢印で、流れの速さは色で示されています(右わきのカラーバーを参照、単位はノット)。黄色から赤の色で示された部分が黒潮の本流部分です。黒潮の流速は1ノットから3ノット(0.5m/s~1.5m/s)程度あり、1ノット(0.5m/s)以上の流速を持つ黒潮の幅は狭いところでは50km以下、広いところでは100km以上あります。 重要なことは、強流帯が200m深の15℃線(図001-1参照)に良く沿っている、と言うことです。 図001-2 2014年9月13日の表層海流分布 Read more »